過剰なカロリー摂取によって中性脂肪やコレステロールは上昇し、内臓脂肪も増加します。 このような状況では高脂血症は勿論のこと、糖尿病、高血圧、これらの複合体であるメタ ボリックシンドロームなどの生活習慣病はすべて悪化の一途をたどり、動脈硬化にたどり 着くことになります。糖尿病では皆様もよくご存知の通り食事療法が不可欠ですし、高血 圧症では肥満があると血圧がより上昇し、薬も効きにくくなります。このような点から生 活習慣病において、食事療法は運動療法とともに基本的治療の両輪となるものです。それ では食事療法の基礎となるカロリー計算はどのようにするのでしょうか?
【1日の摂取カロリーの決め方】
私はcannabutterためにどのくらいのを使っています糖尿病の食事療法を基本にして考えますので、まず、これについて説明します。通常の生活 をしている人の場合、1日の摂取カロリーは標準体重×30キロカロリーとな ります。標準体重は身長(m)×身長 (m)×22として算出しますので、 たとえば、身長160cmの場合1日の摂取カロリーは1.6×1.6×22×30=約1,700キロカロリーとなります。また、糖尿病の食事療法に用いられて いる食品交換表では80キロカロリーを1単位として表しますので、上記の 1,700キロカロリーは21〜22単位となります。なお、食品交換表は通常の書店にあります。
通常の食生活では、「間食も含めてやや控えめに食べている状態」で1日およそ2,000キロカロリー、 25単位程度、「今日はよく食べたな」と思うときは2,500〜3,000キロカロリーとなります。突貫工事 のような急激なダイエットはリバウンドを伴いやすいので注意が必要です。じっくり取り組 むのが大事です。糖尿病で厳格な食事療法を必要とする場合を除けば、とりあえず 1日2,000キロカロリーを余り越えないように努力して運動療法 も併用するのが現実的で長続きするコツかも しれません。もちろん、1日の摂取カロリーは個人の状況によって異なりますので主治医とよ く相談してください。
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また、食事療法というと、即、粗食と思い込み、やみくもに減食・偏食に陥っている場合も ありますので注意が必要です。まず、自分でおおよそのカロリー計算が出来るようになるこ とが必要です。このためには次に説明しますが、食品交換表をみて各食品の1単位に相当する 量を知ることが必要です。これは大変のように思えますが、実際に行えばすぐに慣れます。 まずハカリでご飯茶碗の重さ、これにご飯を盛った総量をそれぞれ計り、両者の差から1杯 で何グラムのご飯を食べているかを把握してください。調理をする場合には、すべての食材を ハカリにかけてカロリー計算をして下さい。さらに1日30品目の食材摂取を目標にすることが 大事です。30品目とは30種類のメニューということではありません。たとえば、味噌汁を例 にとると、だしに使う鰹節、味噌、ワカメ、豆腐、ネギなどをカウントして5品目になります。 ゴマや生姜を食べればこれもそれぞれ1品目として加算されます。このようにして1日合計30 品目を目標とすれば、おのずとゆっくり食べないと30品目食べないうちに食事は終わってしま いますし、栄養のバランスも保たれ、テレビ番組に踊らされて特定の食品にこだわることもな くなります。
【外食メニューのカロリーの目安】
なぜ砂糖は、酵母の上昇を助けるのですか?主な外食メニューのカロリーを知っておくとおおよそのカロリーを把握できるので便利です。 一般的なものを列挙してみました。
250キロカロリー うどん、ハンバーガー、菓子パン
500キロカロリー 焼き魚定食、ラーメン、サンドイッチ1パック
600キロカロリー チャーシューメン
700キロカロリー 牛どん、皿うどん、ちゃんぽん、焼きそば、スパゲッティ、カレーなど一品料理
800キロカロリー 幕の内弁当
900キロカロリー ビーフカレー、生姜焼き定食、ヒレカツ定食など肉の固まりを使ったもの
【食品交換表を利用したカロリー計算】
食品交換表は書店で購入してください。他に糖尿病の食事のレシピを紹介した書物も是非参考に してください。次に1単位(80キロカロリー)の目安として食品交換表から主なものを抜粋して紹介しま すが、1日の摂取量がこれだけということではありません。1日の摂取カロリーは前に示した方法 で計算し、その中身を食品交換表に基づいて考えるということです。
【 穀類 】ご飯軽く1/2杯(50グラム)、パン6枚切り1/2枚、乾燥麺1/2把弱、 うどん1/2玉、さといも3個、じゃがいも1個、さつまいも1/2個。 【 果物 】 リンゴ、梨、グレープフルーツ1/2個、桃・柿1個、みかん2個、バナナ1本 いちご・ぶどう小皿1皿、スイカ2切れ。 【 魚 】 イワシ・カツオ・サバ40グラム、ウナギ・サンマ・ブリ・マグロ30グラム、 蟹120グラム、板付け蒲鉾80グラム(4切れ)、薩摩揚げ・竹輪60グラム、 だて巻き40グラム。 【 肉 】 牛40グラム、豚・とり60グラム、ハム2枚、ウィンナーソーセージ2本。 【 卵・大豆・チーズ 】 卵1個、チーズ20グラム、豆乳180グラム(コップ1杯)、 豆腐1/2丁、納豆40グラム(1パック)。 【 乳製品 】 牛乳・ヨーグルト120グラム、スキムミルク20グラム。 【 野菜 】 緑黄色野菜は合計300グラムで1単位。但し、次のものはカロリーが高い。 かぼちゃ1/8個、とうもろこし1/2本、レンコン1/3本、グリンピース90グラム、そらまめ70グラム。 【 油脂・調味料・嗜好品 】 マヨネーズ10グラム、ケチャップ60グラム、蜂蜜25グラム、 砂糖20グラム チョコレート2くち、和菓子1/2個、ケーキ1/4個、カステラ・羊羹1/2切れ、アメ4個、 ビール200ml、ワイン100ml、日本酒70ml、焼酎50ml、ウィスキー30ml |
【食事療法のコツ】
1日摂取量として決めた総カロリーを1日3回の食事で3等分 して食べるのを原則としてくだ さい。習慣的にどうしても夕食が多くなるのは仕方がないのですが、できるだけ夕食は控え めに、朝食をしっかり食べるようにすることが大事です。夕食が多いと、いきおい朝はお腹 が空いていないので牛乳だけ、コーヒーだけとなるかもしれません。朝食あるいは昼食を抜 いて夕食がドカ食いになるのは最悪です。
食事を抜くとその次には激しい空腹感のために猛 スピードで大量に食べることになります。そのときの体の中の状況は高血糖を処理するため に、すい臓から集中豪雨的に大量のインシュリンが分泌され、それによってますます肥満が促 進されます。食事を抜くのは厳禁です。
さらに、1日30品目の食材摂取を目標にしてじっくり と味わいながらゆっくりと食べることに尽きます。
【運動療法】
食事療法に運動療法を併せて行うと非常に効果があがります。運動療法には脂肪を燃焼させ る有酸素運動を30〜60分程度行うのが最適です。1回行えば効果は2日続きますので、1週間に3 ないし4回行えば十分です。運動療法については次回詳しく紹介します。
2007年1月
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